感染症で家族を亡くすことについて

新型コロナウイルスの感染で、世界中で多くの方々が亡くなられています。



今、日本社会ではいかに感染を抑えるかに注力されています。

一方で毎日亡くなられる方の人数も発表されています。その報道の裏には、家族を亡くされた方々がいらっしゃいます。 今回の感染症では、家族を亡くされた方々が「別れの機会」を狭められている特殊な状況があるようです。



日本では、死の判定を受けた人が蘇生する可能性がある24時間は火葬は禁止されていますが、今回の新型コロナウイルスに関する場合(一類感染症・二類感染症・三類感染症又は、新型インフルエンザ等の感染症の病原体に感染され、もしくはその恐れがある場合)、厚労省では「24時間以内に火葬することができるとされており」とあります。 「必須ではありません」とありますが、新型コロナウイルスで亡くなられるニュースを見る限り、多くは病院から火葬場に直接運ばれているようです。 また、ご遺体からの感染を防ぐため、ご遺体の全体を覆う非透過性納体袋に収容・密封することが推奨されています。 厚労省「新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)」 https://www.mhlw.go.jp/…/kenk…/covid19_qa_kanrenkigyou.html…


そのため、報道からも、今回の感染症の場合、ご家族が亡くなられた方のお顔を見ることも出来ず、火葬されていることがあるようです。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030601188&g=soc


また、現状、人々が集まる葬儀は、感染拡大につながるので、見合わせる動きがあります

多くの犠牲者を出している中国やイタリアでも、ご遺体からの感染を防ぐため、亡くなられてから時間をおかず火葬されているようです。


故人との別れの時間や葬儀は、残された人たちが死別の悲しみを乗り越えるために、大切な機会と言われますが、今回の感染症で家族を失った人たちは、「別れの機会」が狭められている、または持てない状況があります。 そのために故人との別れに心残りがあったり、故人のために葬儀を執り行うことが出来なかったという心のわだかまりが、残された人たちの心の傷となり、悲しみを長引かせる要因になりかねないのではと思ってしまいます。


感染症からどう身を守るかということの他に、「もし私たちも家族を亡くしたら」という意識を小さくとも心の片隅で持ち、現状を理解することが大切なのかもしれません。 そうすることが、いざとなったときに、多少なりとも自分の心をコントロールできるきっかけになるかもしれませんし、ご家族を亡くした方々に想いを馳せるためにも必要なことではないかと思います。


今は葬儀ができなくとも、この事態が落ち着く頃に、「区切りのセレモニーを行う」(※)ことは一つの可能性としてあるかもしれません。


感染症の拡大防止に注力をする一方で、家族を亡くした人たちが悲しみを乗り越えることが出来るよう、社会が思いやりと知恵を差し出すことも求められているのではないでしょうか。



※国立がんセンター元総長の垣添忠生さんは、奥様を癌で亡くされたあと、葬儀を行いませんでしたが、100日後にセレモニーを行うことで気持ちに区切りをつけることができたとおっしゃっています。 https://medical.nikkeibp.co.jp/…/report/201306/531004_6.html ご著書『悲しみの中にいる、あなたへの処方箋』はグリーフワークについて、わかりやすくまとめられています。 https://www.amazon.co.jp/…/B0099FJ4…/ref=dp-kindle-redirect…

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